指揮官が挙げた課題
逆に鹿島は三竿健斗とディエゴ・ピトゥカの両ボランチが余裕をもってボールをコントロール。左右にサイドチェンジを送り、常本佳吾と安西幸輝の両サイドバックが高い位置に侵入。そこからクロスを入れるような攻撃チャンスを数多く作っていた。
とりわけ、異彩を放ったのが安西だ。「鹿島に合流して1~2カ月はコンディションが上がらなかったが、10月に入って体が動くようになった」と本人も言うように、スピーディーな攻め上がりを取り戻した印象。逆に対面の西は苦しめられた。古巣相手に存在感を示したかったはずだが、「強くプレッシャーに来るのは分かっていたけど、何回か引っかかって怖がってしまったのかなと思う」と反省の弁を口にしていた。
こうした流れが45分間続き、前半のシュート数は鹿島の10本に対し、浦和はゼロ。前半36分には鹿島の右CKの流れから土居聖真に先制点を決められ、ビハインドも背負った。この展開はリカルド・ロドリゲス監督も想像していなかったに違いない。「前半は望んでいたプレーができなかった。つないでいく中で、あまり意味のないロングボールだったりの攻撃になってしまった」と課題を指摘した。
今季の浦和は対戦相手によって内容の差が大きく出ることが往々にしてある。リカルド体制の戦い方がある程度、成熟度を増してきた10月以降の戦いぶりを見ると、J1上位の神戸や川崎、鹿島、YBCルヴァンカップ準決勝を戦ったセレッソ大阪には内容・結果含めて苦戦を強いられたのに対し、格下と言えるガンバ大阪や柏レイソルには主導権を握って圧倒的に攻め込む戦いができている。
最終ラインを統率する1人のアレクサンダー・ショルツも鹿島戦の前半について次のように語る。