リスクを冒せなかった
試合後カルロ・アンチェロッティ監督は「我々は(相手の)プレッシャーをかわし、前線でチャンスを探し、良い形でカウンターも仕掛けた。もし試合が80分間で終わっていればシーズン1番の試合だったと言えたかもしれない」とコメントを残している。その言葉通り、マドリーは残り10分間で苦戦した。
痛手だったのは、先述したいくつものチャンスを決めきれなかったこと。3点目を奪い、試合を確実に締めることができなかったのである。マドリー攻撃陣のクオリティーに問題はなかったが、唯一個の決定力は欠如していた。
上記したアンチェロッティ監督の言葉には続きがある。
「迎えたチャンスを決めきれず、その後失点した。ここからはリスクを冒してプレーすることはできなかった。相手はこちらのミスを待ってカウンターを仕掛けていた」
マドリーは77分、途中出場のラダメル・ファルカオにゴールを許し1点差に詰め寄られている。ラージョには当然2点目を奪いにいくという明確な目標があったが、マドリーはこのまま守るのか、それとも相手が前掛かりになったところで3点目を奪いにいくのかがハッキリしない。それが、アンチェロッティ監督の言う「リスクを冒してプレーできなかった」という言葉の意味だろう。
結果、マドリーは終盤のピンチを切り抜け2-1で勝利。もちろんラージョが素晴らしいチームであったことを忘れてはならないが、2点リードしながら終盤に失点してしまうのは前節のエルチェ戦と同じ。試合運びに関しては、まだまだ課題があると言えそうだ。
(文:小澤祐作)
【了】