ラ・リーガ第13節、レアル・マドリード対ラージョ・バジェカーノが現地時間6日に行われ、2-1でホームチームが勝利している。マドリーは立ち上がりから主導権を握り、前半のうちに2点リード奪取。後半も多くのチャンスを作った。それでも、今季ナンバーワンの試合にならなかった理由とは。(文:小澤祐作)
狙いがハマった完璧な45分間
レアル・マドリードが過ごした前半45分間は文句なしだった。
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開幕連敗スタートを切りながらも、ここ最近はコンスタントに勝ち点を稼いでいるラージョ・バジェカーノは、守備時4-4-2でセット。マドリーに対して引くことなく、高い位置からプレッシャーを与えるなど強気な姿勢を貫いていた。
ただ、ラージョに関しては守備時に中盤と最終ラインの間にギャップが生まれる場面が目立っている。つまり、2トップ+中盤4枚は高い位置から仕掛けるのだが、最終ライン4枚はやや背後も気にしながら…といったような形だった。相手に快速自慢ヴィニシウス・ジュニオールがいたことも一つの要因だろう。
マドリーはその隙を徹底的に突いている。ビルドアップ時はカゼミーロやインサイドハーフが一列落ち、センターバック2枚と3人並ぶことで相手の2トップに対し数的優位を作り出す。そこでボールを動かし、機を見た3列目飛ばしのパスで一気に攻撃を加速させた。
14分の先制シーンはその狙いがハマった。エデル・ミリトンからライン間にポジショニングしていたクロースへパスが渡ると、同選手はこれを頭でフリック。ラージョCBがここに対し遅れて飛び出たことでヴィニシウスの走るコースが誕生し、そこから攻撃が加速。そしてマルコ・アセンシオ→クロースのゴールへと繋がっている。
ラージョにとっては2+4で相手を押し込み、蹴らせてセカンドボール回収ということが理想だっただろう。しかし、プレッシャーを受けてもボールを簡単に手放さず、相手のギャップが生まれたところへ確実に勝負球を送り込み、何度も攻撃を加速させていたマドリーはやはり流石。数枚上手だった。
こうして立ち上がりから主導権を握ったマドリーは38分に追加点。ダビド・アラバの芸術的なクロスをカリム・ベンゼマが押し込んでいる。冒頭でも記した通り、文句のつけようがない45分間だった。
そのマドリーの勢いは後半に入っても止まることはなかった。