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マンU対マンCはなぜこの結果に? マンチェスター・ダービーで見えた勝者と敗者の致命的な差【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

対照的だった両指揮官



 カバーニ欠場により前線からのプレスがハマらなかったスールシャール監督は、2点ビハインドの後半開始と同時にCBのエリック・バイリーを下げてWGのジェイドン・サンチョを投入した。

 慣れ親しんだ4-2-3-1へとシステムを変更したのだが、先述したように最前線にロナウドがいるとプレスが機能しない。ボールの奪いどころが定まらず、シティに保持される展開が続いた。スールシャール監督は67分にマーカス・ラッシュフォード、80分にドニー・ファン・デ・ベークを投入したが、いずれも事態は変わらなかった。

 対するシティのグアルディオラ監督は、前半を2点リードで折り返したことと、不用意なボールロストからカウンターを受けたことを踏まえ、後半はリスクを伴う攻撃を行わなかった。

 そして試合を通じて、ユナイテッドの司令塔ブルーノ・フェルナンデスを徹底的にマークした。グアルディオラ監督は、相手チームに1人で状況を打開できる絶対的なプレーメーカーがいた場合、その選手に対してファウルをしてでも徹底的に止めるという戦術を取ることが多い。

 この試合でもブルーノ・フェルナンデスにはチーム全体で厳しいチェックを行ない、両チーム最多となる5つの被ファウル数を記録した。

 カウンターとブルーノ・フェルナンデス。この2つをケアされたことで、後半にユナイテッドは1度も決定機を作ることができなかった。

 勝っていてもベンチの前に出てきて指示をするグアルディオラと負けていてもベンチに座ったままのスールシャール。試合中、両指揮官の様子は対照的だった。それぞれのスタイルに差があるということは理解しつつも、ビルドアップの整備や前線からのプレスのハメ方など戦術面でも如実に”差”が出た両指揮官だった。

 同じ街のライバルにホームで圧倒されるという屈辱的な敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッド。プレミアリーグにおいて、ホームで直近4試合1分3敗という酷な結果をユナイテッドの上層部はどのように受け止めているのだろうか。

(文:安洋一郎)

【了】

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