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マンU対マンCはなぜこの結果に? マンチェスター・ダービーで見えた勝者と敗者の致命的な差【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ユナイテッドの狙いがハマらなかった理由


  前節トッテナム戦と今節マンチェスター・シティ戦の大きな違いは、同じシステムでもスタメンにラファエル・ヴァランとエディソン・カバーニがいなかったといことだ。いずれの選手も負傷による欠場となったが、スールシャール監督にとっては痛すぎる離脱だった。

 今季、ユナイテッドは前線からの流動的なプレス、守備ができていないということが課題として取り上げられている。4-2-3-1であれば最前線に入るクリスティアーノ・ロナウドが、ファーストディフェンスとして機能していないためだ。

 ロナウドがプレスを行わないことで、代わりにトップ下のブルーノ・フェルナンデスが前線へプレスに行く頻度が高まっている。これが3列目の選手や他の選手とも連動したプレスになっていればある程度は機能するのだが、孤軍奮闘のような形となっており、ブルーノ・フェルナンデスが前に行き過ぎて空いたスペースを使われてピンチを招くというケースが増えていた。

 その最たる例が第9節リバプール戦だ。0-5の大敗を喫し、第10節トッテナム戦に向けてスールシャール監督は、献身性の高いカバーニをロナウドと最前線に並べた上に、3バックにすることで守備の整備を図った。

 トッテナム戦はこれが上手く機能して3-0の快勝を収めたのだが、今節はカバーニとヴァランが欠場。代わりにメイソン・グリーンウッドがロナウドとの2トップで起用され、アンカーのロドリをマンマークするというタスクが与えられた。だが、守備が不慣れなこともありマークの精度が低く、シティ相手にこれは通用しなかった。

 トッテナム戦で3バックの中央に入っていたヴァランの欠場も痛恨だった。最終ラインを統率する役割を担っていたヴァランだが、ミッドウィークのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)アタランタ戦で負傷。守備の核が欠場したことで、シティの攻撃をやられるがままに受け続けるという構造になってしまった。

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