【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は4日、今月11日と16日に予定されているカタールワールドカップのアジア最終予選2試合に向けた日本代表メンバーを発表した。
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招集メンバーリストを見ていると、すぐに気づく変化があった。それは「ポジション表記」だ。
これまでは「GK」「DF」「MF」「FW」と、選手たちは4つのポジションに分けて表記されていたが、今回のリストは「GK」「DF」「MF/FW」となっている。MFとFWが一括りにまとめられていたのである。
なぜ今、このタイミングで招集メンバーリストのポジション表記を変更したのか。森保一監督は次のように明かす。
「FWとMFのところが特になんですけど、FWの表記でMFでプレーしてもらったり、MF表記でFWとしてプレーしてもらう選手がいたり、DF登録でもMFの中盤的な役割をしてもらう等々ありました。特に攻撃的なMFとFWでは、どっちで起用するか決まっていないことが多いので、こういう形にさせていただきました」
確かにこれまで複数の役割を与えられる選手が少なくなかった。森保監督自身も事あるごとに発信してきたが「選手たちには複数のポジションをやってもらう可能性があることを、この表記で伝えたいと思います」と改めてユーティリティ性の重要性を強調する。
例えば古橋亨梧のようにMF登録ながらFWでプレーする機会がある選手は、まさしく指揮官が意図する「MF/FW」ということになる。東京五輪世代の代表チームでも、DF登録の板倉滉がボランチで起用されたり、FW登録の前田大然がサイドでプレーする機会は多々あった。
さらに言えば、今回が活動で日本代表初招集となった旗手怜央は「DF」として登録されている。東京五輪でもDF登録だったが、実際には左サイドバックのみならず左ウィングなどでもプレーし、大会前にはFWを務めた試合もあった。
森保監督は旗手について「DFとして旗手のことを固定して見ているわけではない」と語る。そのうえで「川崎では前線のインサイドハーフをやることが多いと思いますが、DFも両方ともできるということで、今回の場合はディフェンスに置かせてもらっているという認識でいただければと思います」と説明している。
おそらくA代表でも左サイドバック起用を想定しつつ、チーム状況しだいで他のポジションでプレーする可能性もあり、旗手のユーティリティ性を最大限に生かすつもりなのだろう。
森保監督は4-3-3や4-2-3-1といったシステムに関しても「あくまでもキックオフ前の立ち位置なだけ」と述べるなど、数字の並びやポジションにとらわれないサッカーを目指している。ゆえに「次から(GK以外は)全員フィールドプレーヤー登録でいいかなと思っています」とも話すほどだ。
ちなみに代表メンバーを「MF/FW」の表記は、ドイツ代表が以前から採用してきた形。もし「GK」と「FP(フィールドプレーヤー)」の区別だけになったら、さながらフットサルのようだ。“ドイツ式”から“フットサル式”への転換はあるか、来年1月の日本代表メンバー発表時のリストを楽しみにしたい。
(取材・文:舩木渉)
【了】