C・ロナウドが救った
結局、デ・ローンの徹底したマークに苦戦し続けていたB・フェルナンデスがベンチに下がったのは87分のこと。不遇のドニー・ファン・デ・ベークが起用されたが、正直なところ流れを変えるにはあまりにも遅い交代だった。
しかし、完全なる負け試合を一人の男が変えた。すでにご存じの通り、C・ロナウドである。後半AT、ゴール前の混戦から最後は右足でボレーシュート。ボールは完璧なコースへと飛び、そのままゴールネットを揺らしている。そして試合は2-2のまま終了。C・ロナウドが勝ち点1をもたらした。
冒頭でも記した通り、ユナイテッドの90分間は不安だらけだった。試合への入り方は悪く、後半には相手指揮官の修正力を見せつけられて勝ち越され、自分たちは何も変化できぬままズルズルと時間を過ごす。主将ハリー・マグワイアの対応はあまりに雑で、ポール・ポグバも機能不全。ポジティブだったのは、4-2-3-1へと変更した前半の終盤くらいだった。
それでも、“ユナイテッドにはC・ロナウドがいた”。今回のアタランタ戦を振り返るには、その一言だけで十分だろう。スールシャール監督は、どこまで選手たちに命を救われ続けるのだろうか。
(文:小澤祐作)
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