昇格組のロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズが、ベルギー1部リーグで首位を走っている。ゴールを量産する国内最強2トップがチームを引っ張り、現在4連勝中だ。そして、絶好調のユニオンをさらに上昇気流に乗せようとしているのがMF三笘薫である。日本時代に馴染みのなかったポジションに挑戦する24歳は新境地を開拓し、大きなインパクトを残している。(文:舩木渉)
2試合連続先発起用。ポジションは何と…
三笘薫といえば、左サイドからドリブルの1対1で華麗に相手を抜き去ってゴールを陥れるプレーが十八番だ。川崎フロンターレ時代もウィンガーとしてのイメージが強い。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
しかし、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズ(以下、ユニオン)での彼は、ちょっと様子が違う。今まさに新境地を開拓している最中だと言えるだろう。
現地31日に行われたベルギー1部リーグ第13節のヘント戦に先発出場した三笘は、3-5-2の左ウィングバックに配置された。2試合連続の先発左ウィングバック起用だ。相手がボールを持っている際は5バック気味になって守るため、サイドバックのように自陣深くまで下がって耐える時間も長い。
実際、今節もヘントがボール支配率67%を記録し、ユニオンが守勢に回る時間帯もかなりあった。83分に交代でベンチに下がるときの三笘のユニフォームは泥だらけ。体を張って戦い抜いたことの証だ。
ただ、ウィングバック起用によって彼の持ち味が消えてしまったわけではない。むしろ新たな役割の習得に励みながら、攻撃面でも非常によく特徴を発揮して得点場面にも関与できている。積極的に高い位置を取り、ボールを持てば鋭い切り返しやカットインを駆使するドリブルでゴールに向かっていく。
前節のオイペン戦でも存在感は抜群だった。左ウィングバックでリーグ初先発を飾った三笘は開始6分のカウンターの場面で自陣から一気に駆け上がり、味方からパスを受けるとペナルティエリア内に鋭くカットインしていく。そして相手ディフェンスに倒されて先制点につながるPKを獲得した。
2-2に追いつかれた直後の79分には左サイドからのスルーパスで決勝ゴールの起点となり、ユニオンの劇的勝利に貢献。第11節のセラン戦で途中出場からハットトリックを成し遂げてからの上昇気流を、第12節、第13節と継続している。