レアルがバルセロナと違うのは…
理由の1つとして考えられるのは、“黄金期”の根幹を維持できているからだろう。エルチェ戦ではエル・クラシコに続いて、ジダン政権を支えた中盤の3枚=カゼミーロ、クロース、モドリッチが健在であることを示したが、アンチェロッティ監督は、この“遺産”を上手く活用できているようだ。
気づけばシャビはとうの昔に居なくなり、イニエスタに続いて遂にメッシも居なくなったFCバルセロナとは違う。“黄金期”のメンバーが在籍していることが、レアルが“過渡期”にあって崩れない理由なのだろう。
そして、ジダン政権から続いて得点源のベンゼマが不在でも、エルチェ戦ではヴィニシウスが2ゴールの活躍。ポスト・メッシの時代に突入し、得点源の不在に苦しむバルサとは対照的に、21歳のブラジル代表FWの“覚醒”は、アンチェロッティ監督にとって幸運と言えそうだ。
ヴィニシウスについて、イタリア人指揮官は「私は何もしていない」とコメントを残している。
「彼はとてもいいプレーをしてゴールを決めているので、しかるべき信頼を与えて起用しているだけだ」
(文:本田千尋)
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