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レアル・マドリードは過渡期でも崩れない。バルセロナと大きく違うのは? たとえベンゼマがいなくても…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

“省エネ”を意識したレアルのサッカー



 実際、エルチェ戦でのレアルは、ボール・ポゼッションにこだわり過ぎず、ブロックを構築して守るべき時は守り、また、カウンタープレスも機能させながら、“省エネ”を意識したサッカーを展開した。アンチェロッティ監督は、試合後に「試合間隔が2日半の中、同じインテンシティとエネルギーでプレーすることはできない」とコメントを残している。

 そしてチーム得点王のフランス代表FWが不在の中、輝きを放ったのはヴィニシウス・ジュニオールだった。22分、レアルはブロックを構築して構えると、敵のパスをカットしたカゼミーロがダイレクトでワントップのマリアーノ・ディアスに繋ぐ。ディアスはヒールで左に落とすと、スペースに走り込んできたヴィニシウスがドリブルから左足一閃。こうしてレアルは「技術的、戦術的な」部分を発揮して、ショートカウンターから“効率よく”先制点を奪った。

 さらに73分にもヴィニシウスが追加点を決める。63分にラウル・グティが2枚目のイエローを貰って退場し、1人少なくなったエルチェに対して、レアルはカゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースの中盤の3枚を中心にボールを回す。11対10という数的優位を踏まえれば、もちろん「フィジカル面」を前に出す必要はなかった。

 右、左と大きくエルチェの守備陣を揺さぶりながら、一旦後ろに戻して、クロースがギャップにったモドリッチにパス。すかさずクロアチア代表MFがラストパスを出し、抜け出したヴィニシウスが決め切った。

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