クラブ復活のカギは…
では、バルセロナ復活のためには何が最善なのか。カンテラの選手を多く起用し、試合を支配したアラベス戦を見ると、やはり以前のような華麗なパスワークが復活のカギとなるだろう。
DFライン4人と中盤の3人がラ・マシア出身の選手だったこの試合は、後方からテンポよくパスを繋ぎ、簡単にゴール前までボールを運べていた。最後の局面で崩し切れなかったが、実力のある前線の3人にもパスワークが浸透すれば、容易に相手のDF網を搔い潜れるはずだ。
そのためには後任監督にバルセロナOBを迎える必要がある。後任として名前が挙がっているのはシャビ・エルナンデスだが、バルセロナのサッカーを完全に理解し、現在指揮するアル・サッドで監督としての才能を発揮するシャビの招聘は、現状ではベストだろう。
チームの改善には時間を要するが、バルセロナのサッカーを復活させるためにはこのレジェンドを置いて、現状は他にいない。
バルセロナの中核を担ったレジェンドによって、ガビやニコ・ゴンザレス、ペドリがさらに成長すれば、シャビとイニエスタのような黄金期を築いた中盤が再び蘇る。そんな期待さえ抱かされる。
このまま暗黒期に突入するのか。それとも復活の狼煙を上げるのか。期待と不安が交錯する中、これからバルセロナはどんな道を歩んでいくのか。今後の動向に世界中の注目が集まるだろう。
(文:阿部勝教)
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