連戦による疲れなのか…
先述した通り、90分間崩れなかったオサスナのDFはすごかった。しかし、レアル・マドリードほどのクラブであれば、そのDFさえも崩し切るはず。では、なぜできなかったのか。
前半についてはテンポの変わらない攻撃が原因だろう。
裏への抜け出しはほとんど無く、ゆったりしたビルドアップからヴィニシウス・ジュニオールにボールを回していく。そこで時間を作り、クロスかミドルシュート。毎回ヴィニシウスまではボールが回るが、同選手は2人で対応され、効果的な攻撃は出来ていなかった。
バイタルエリアを潰されていたため、ベンゼマも左サイドに寄る場面が多く見られたが、8人で構える相手DFを崩し切れなかった。
後半はオサスナがより攻撃的になったことや前線に人数をかけたことで、カウンターとクロスから再三チャンスを作れていた。しかし、あと一歩が届かず、無得点に終わっている。
結果論になるが、ヴィニシウスを活かすのであれば、もっと裏へのボールを配球するべきだった。同選手のスピードとドリブルスキルがあれば、DF2人が寄せてこようと、カバーする選手がいなければ簡単に抜けたはずだ。
そこからチャンス作ることができれば、相手のDFラインは徐々に下がる。そうなれば、ベンゼマも中央で自由にプレーでき、攻撃により幅を持たせることが出来た。チャンピオンズリーグ(CL)、エル・クラシコとアウェーの連戦で疲労があったのか、チーム全体としても精彩を欠いていたことは間違いない。