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18歳の超逸材・松木玖生、U-22日本代表で“有言実行”の先制弾「結果を残すことに集中していた」【AFC U23アジアカップ予選】

text by 編集部 photo by Zoom

松木玖生
【写真:Zoom会見のスクリーンショット】



【日本 4-0 カンボジア AFC U23アジアカップ予選】

 U-22日本代表は26日、AFC U23アジアカップ予選でU-22カンボジア代表に4-0で快勝した。

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 今回の予選は、パリ五輪世代の代表チームにとって初陣とも言える大会。その初戦で最初のゴールを奪ったのは、高校生の超逸材だった。青森山田高校に所属し、来季のFC東京加入が内定しているMF松木玖生は10分にコーナーキックから日本に先制点をもたらした。

「カンボジアのセットプレーの守備でファーサイドが空くということを前々から分析で知っていたので、そこに入ることができて、よく得点につながったかなと思います」

 DF加藤聖が蹴った右コーナーキックは、飛び出した相手GKの手をかすめてファーサイドへ。松木はスカウティング通りに頭から飛び込んで、ヘディングシュートを叩き込んだ。

 カンボジア戦前の取材で「ここでやれることに感謝したいですし、いるだけでは意味がない。日本代表として日の丸を背負うからこそ、出場機会があれば結果を残したいと思います」と宣言していた通り、パリ五輪世代最初のゴールでチームに勢いをもたらした。

「日の丸を背負うということは、日本を代表することですし、勝たないといけない。こいつじゃ全然ダメだなと思われないように自分も結果を残すことにしっかり集中していました」

 強気な姿勢はピッチ上のパフォーマンスにも表れていた。チーム内最年少の立場ではあるが「ピッチ上で年齢は関係ないですし、要求するところは要求する。そこは遜色なくできます」と言い切るハートの強さは本物。その言葉通り、序盤から積極的にボールに絡み、味方のためのスペース作りなども精力的にこなした。

 日本の選手がいい位置でボールを持っていれば、松木が必ず他の場所で動き出す。そして、松木が何らかの形で絡んでいると、頻繁にチャンスにつながっていた。名門・青森山田高校で10番を背負う超逸材は、「初めてのポジション」という4-3-3のインサイドハーフにも難なく対応し、追加招集とは思えない存在感で攻撃陣をけん引していた。

 自分の思いを言葉にするだけでなく、プレーにも乗せられる。「自信があるからこそ、そういうプレーが出ると思うし、まずは日本の代表として貢献したい気持ちがすごくある。そこの気持ちの部分がブレていないからだと思います」と、自らが結果を残せる要因も的確に分析していた。

 中1日で戦う28日のU-22香港代表戦で長い時間プレーするのは難しいかもしれないが、「次の香港戦も出場機会があればチャンスをものにしたい」と、松木は結果に飢えている。

「目指すところは日本代表なので、このように(U-22代表に)呼ばれて嬉しい気持ちもありますけど、ここで結果を残さないと次のキャンプに呼ばれないので、そこは戦いだと思います。今回は国際大会で、絶対に負けられない戦いなので、2試合しっかり勝っていきたいと思います」

 大会前から高い目標を掲げ、同時に危機感も語っていた。松木はチャンスが与えられるのをただ待つ気はない。自分からつかみ取りにいくのみだ。まだ高校生だが、パリ五輪を目指す戦いのなかで松木の時代がくるのではないか……という期待感を抱かせるU-22代表デビュー戦だった。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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