影の立役者
前述した通り、この試合を決定づけたのは間違いなくハットトリックを決めたサラーだ。しかし、試合を通してほとんどの局面で起点となった影の立役者がいる。
それが、ロベルト・フィルミーノだ。
偽9番としてゴールだけでなく、チャンスメイクやゲームの組み立てにも関わるフィルミーノは、チームの戦術を完璧に理解し、あらゆる局面に顔を出してサポートしている。
1点目は、バイタルエリアでパスを受けてサラーへの縦パス。3点目の場面では、右サイドラインいっぱいまで開き、ダイレクトパスを用いた速い連係で中央に切り込込んでチャンスメイクなど結果としては残らないが、チームへの貢献度は極めて高い。
ゾーンで守っていたマンチェスター・ユナイテッドが、自由に動き回るこのFWを捕まえられていなかったこともあるが、 戦術におけるこの男の存在は最重要となっていた。
昨季はパフォーマンスが低調だったこともあり、ディオゴ・ジョタにスタメンを奪われていたが、今季は公式戦9試合6得点1アシストと高パフォーマンスを見せている。
チームの好調を維持し、リーグ王座奪還するためにはサラーだけでなく、この男の活躍も絶対に欠かせない。怪我などで離脱した際の不安はあるが、フィルミーノが好調である限り、リバプールの快進撃は続いていくだろう。
(文:阿部勝教)
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