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Jリーグ 3年前

鹿島アントラーズは「キレイなサッカーをしてもしょうがない」。希望をつなぐ背番号8の黒子の働きとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

してやったりの先制ゴール



 土居は37分にも決定機に絡む。ファン・アラーノが出したパスに反応した上田綺世がシュートを放った瞬間、鋭い飛び出しを見せ、ゴール前に詰めていたのだ。が、ここでも中村拓海に寄せられ、コントロールしきれなかった。鹿島生え抜きの29歳のアタッカーは悔しさを募らせたことだろう。

 こうしたトライが前半アディショナルタイムの先制点につながる。右サイドの遠目の位置からディエゴ・ピトゥカが蹴ったFKにヘッドで合わせたのはアルトゥール・カイキ。「この2週間トレーニングで繰り返しやってきた形」とブラジル人FWはしてやったりのゴールで鹿島に1点をもたらしたのだ。

 こうなるとFC東京もギアを上げないわけにはいかなくなる。中村と長友の両サイドバックは仕掛ける回数が増え、アダイウトンが前線に出ていくシーンも目立ち始める。そんな相手にダメ押しの一発をお見舞いしたのが上田綺世だった。

 後半20分。相手からボールを奪い、ファン・アラーノ、上田、レオ・シルバとパスがつながる。右サイドを上がったファン・アラーノが再びパスを受け、前方に抜け出した土居に展開。背番号8は巧みなドリブルでジョアン・オマリの寄せをブロックしながらマイナスのクロスを入れた。ここに走り込んだのが背番号18。上田の右足シュートは青木拓矢にブロックされたものの、すぐさま左足を一閃。ゴールに流し込んだ。

 今季13点目を奪ったエースFWは嬉しそうに、次のようにコメントした。

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