「彼は常に脅威になっている」
ここでポステコグルー監督が言う「彼」が指すのはジョタのことだが、同様のことは古橋やアバダにも当てはまるのだろう。彼らの共通点はハイスピードかつ強度の高い展開の中でも正確なテクニックやそれぞれの武器を発揮できることと、守備でもハードワークを怠らない献身性にある。
そして、指揮官は古橋のプレーも「非常によくハードワークをしてくれたが、それは彼にとってプロセスの一部に過ぎないんだ」と手放しで称賛する。
「優れたチームと対戦する際、相手はスペースを与えてくれない。前半のキョウゴは守備と動き出しの両方をよく頑張ってくれていたと思う。スペースがなかったので抜け出すことはできなかったが、それは試合の一部に過ぎない。続けることが何より重要だった。
彼は常に相手にとって脅威になっている。今日のゴールも素晴らしかった。我々はスペースのない狭いエリアの中でも、自分たちのやりたいことができていたと思う。そのうえで、ジョタの個の輝きと、キョウゴの猛スピードからのゴールを見ることができた」
セルティックはシーズン序盤、なかなか勝ちが続かず苦しんだ。ポステコグルー監督も勝利を宿命づけられたクラブで、厳しいプレッシャーに晒されていたに違いない。しかし、ジョタと古橋がピッチ上で揃い踏みしてからのリーグ戦は2連勝、ELでも初勝利と結果が出始めている。
横浜F・マリノスでも指揮を執ったオーストラリア人指揮官は「ここでの生活に慣れるにつれて、キョウゴはどんどん良くなっていくだろう。彼が自分の努力に対する報酬を得たことを本当にうれしく思う」と、古橋を称賛するとともに今後のさらなる活躍を確信している。
古橋とジョタのゴールデンコンビ誕生にともなって、ポステコグルー体制のセルティックが軌道に乗り始めた。
(文:舩木渉)
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