ジョタと古橋の共通点とは
もう1つの発見は、ジョタが極めて高い能力と巨大な才能の持ち主であることだ。左サイドを中心にドリブルを仕掛ける姿からは、曲芸師のようなテクニックによる個での打開力に秀でていることは明らかだった。
フェレンツバロシュ戦で5本のシュートを放ったようにフィニッシュに対する意識が非常に高く、4アシストを記録していることからもわかる通り、チャンスメイク能力も非常に高い。一方で得意なプレーを発揮できるエリアが狭いのではないかという懸念もあった。
しかし、育成の名門ベンフィカで大切に育てられてきた逸材は、ただ巧いだけではないことはハッキリと証明された。フェレンツバロシュ戦のアシストは、自陣深くまで守備に戻った後に生まれている。チームのためのハードワークも忠実にこなせ、犠牲の精神も持ち合わせているのである。それは古橋にも共通する点だ。
スコットランド紙『ヘラルド』などによれば、セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は、フェレンツバロシュ戦後に古橋やジョタの攻守にわたる献身性を絶賛したという。
「ジョタは非常に素晴らしかったが、守備面でも良かったと思う。チームのために守備でもハードワークする必要があることをしっかりと理解している」
「我々は常に攻撃したいし、ロングボールを使ってフィフティー・フィフティーのチャレンジをするのではなく、自分たちの強みを生かして戦うチームでありたい。そのためには攻撃の反対側のこともしなければならないし、ジョタはそれを理解して良くなってきていると思う。相手陣内でプレッシャーをかけるためのハードワークの必要性をよく理解している。それはジョタだけでなく、キョウゴ(古橋)やリエル(・アバダ)も同じだ」
ポステコグルー監督が名前を挙げたジョタ、古橋、アバダの3トップは、いずれも今季の新加入選手。すでに前線でそれぞれの立場を確立しており、“ボス”のサッカーへの理解も進んでいるのは間違いない。
「我々は彼が非常に才能のある選手だと知っていたからセルティックに連れてきた。もちろん自分たちのサッカーにぴったりだということも、彼が違いをもたらしてくれることもわかったうえだった」