最後に味方したのは…
アトレティコの明確な狙いに手を焼き前半のうちに同点に追いつかれたリバプールは、後半に入ってもなかなかペースを取り戻せず苦戦していた。しかし、“運”だけは最後まで味方していたようだ。
52分、グリーズマンがロベルト・フィルミーノの顔面を事故的に蹴り上げてしまったことで一発退場を命じられる。リバプールは、残り約40分間を数的優位な状況で戦うことができた。
ただ、リバプールに吹いた追い風はこれだけではない。
10人で戦うアトレティコに対し攻めあぐね、反対にカウンターから自陣深くへ運ばれるなどフラストレーションが溜まる中、思わぬチャンスが到来。アレクサンダー=アーノルドが蹴り上げたボールにディオゴ・ジョッタが反応すると、マリオ・エルモソが軽率なタックルで見舞ったことでPKを得たのだ。
そしてこれをサラーが冷静に沈め勝ち越し。その後クロップ監督はジョー・ゴメスとネコ・ウィリアムズを投入することで逃げ切りを図り、見事敵地で勝ち点3を奪うことに成功している。
とくに後半は戦術どうこうよりもレフェリーの判定により試合が動いた感じとなってしまったが、とにかくリバプールにとっては大きすぎる白星となった。次節アトレティコとのリターンマッチで勝ち点3を得ることができれば、その時点で首位通過が確定する。そうすれば、グループ残り2試合で大胆なターンオーバーを採用することも可能となるだろう。
試合後の会見でクロップ監督は「この2チームが対戦する時は必ずと言っていいほどドラマが生まれる」とコメントを残した。今回もかなり激しい戦いとなったが、次の2戦目はどのようなゲームになるだろうか。
(文:小澤祐作)
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