監督も絶賛する三笘のメンタリティ
ただ、持ち味は存分に発揮できている。前節のセルクル・ブルージュ戦では終盤に途中出場すると、84分に鋭い切り返しからDFロイク・ラプーシンのゴールをお膳立てした。これ以外にも、ドリブルで複数人を剥がすようなシーンは短いプレー時間の中で何度も見せてきた。
東京五輪の準決勝でメキシコ代表に敗れた後「全部、個の力を高めるしかないと思っています。ピッチで感じた違いを……些細なことだったり、駆け引きのところもありますけど、そういったうまさも備えつけていかないといけないと思う」と噛み締めた悔しさを糧に、ヨーロッパでも自らの武器が通用することを証明しつつあるところだ。
ベルギーメディア『RTBF』などによれば、ユニオンを率いるマッズ監督も試合後に「今日、我々は皆、彼を見た。三笘は素晴らしい選手だ。8月にやってきたが、言葉や文化に適応するために少し時間がかかってしまった。今日は彼がユニオンにとって非常に大きな力になる選手であることを示したと思う。テクニック面においても積極性においても、クオリティの高い選手だ」と三笘を絶賛したという。
マッズ監督はシャルルロワ時代にMF森岡亮太を、ゲンク時代にMF伊東純也を指導した経験があり、日本人選手に対して理解のある指導者でもある。「日本人の考え方に対応できるようになるのは、指導者にとって並外れて素晴らしいこと。ゲンクでは伊東と、ここでは三笘を知ることになったが、彼らは勤勉で文句を言わず、常に前向きだ。(普通なら)出番が少なければネガティヴな態度をとることもあるかもしれないが、三笘は自分の資質をよく知っており、常に前向きだった」と語り、三笘や日本人選手の能力を高く買っている。
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