開幕から絶好調も、真価が問われるのは…
前ページでは「誰が出場しても強い」と書いたが、モハメド・サラーだけは例外かもしれない。
試合後の会見でクロップ監督は、「今のサラーより優れている選手は誰ですか?彼は世界最高の選手だ」と述べており、今季はその評価に相応しい活躍を披露し続けている。
今節の活躍も見事だった。前半8分には左足のアウトサイドパスでマネのゴールをアシスト。後半54分には前節マンチェスター・シティ戦に続いて、ボックス内で複数の相手DFを剥がしてゴラッソを決めた。例年以上にドリブルはキレており、いずれも「サラーだから出来る」というプレーの連続だった。
このゴールが公式戦8試合連続弾となったサラー。早くも今季の公式戦での得点数を二桁に乗せており、押しも押されもせぬエースとして絶好調のリバプール攻撃陣を牽引している。
だが、懸念材料もある。ケガによる離脱が非常に少ないことで知られるサラーだが、今季は既にシーズン途中に離脱することが濃厚となっている。エジプト代表として22年1月から開催されるアフリカ・ネーションズカップに出場するためだ。
同期間にはマネも離脱することが濃厚となっている。以前はルイス・スアレスやフェリペ・コウチーニョを高額な移籍金で売却して即戦力を補強していたが、現在のリバプールはコロナ禍ということもあり、経済的な余裕はあまりない。
ベンチから出番を待つことが多い南野拓実やディボック・オリギらで彼らの穴を埋めるのか、それとも冬までに戦術にフィットしそうな選手を見極めて即戦力を補強するのか。サラー、マネが不在となる期間にリバプールの強さと完成度の高さが問われることになりそうだ。
(文:安洋一郎)
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