課題は未だ修正されず…
疲労を考慮しても、未だ改善されない2つの課題が敗戦に影響していた。
1つは中盤の守備。この試合でのマンチェスター・ユナイテッドは、攻撃時は4-2-3-1、守備時はポール・ポグバが1列ポジションを上げた4-1-4-1の可変システムを採用。前がかりになりがちなポグバを最初から1列あげ、バイタルエリアをネマニャ・マティッチが1人で見ていた。
しかし、機動力の高くないマティッチには荷が重すぎた。シンプルに縦に入るパスには対応できたが、左右に揺さぶられたり、FWが下りてきた際には対応できず決定機を作られた。そもそも4人が並ぶ2列目を簡単に突破されすぎたとも言えるだろう。
そして、2つ目がゴール前での連係だ。ペナルティーエリア付近までは難なくボールを運ぶが、そこから相手DFを崩す動き出しや連係が極端に少ない。両サイドバックも攻撃には参加しているが、効果的な攻撃参加はできず、最終的に数的不利のペナルティーエリア内にクロスを上げるか、攻めあぐねる場面が多く見られた。
開始10分場面がまさにそれだった。ペナルティーエリア右手前でパスを受けたアーロン・ワン=ビサカがドリブルを試みたが、距離を取られメイソン・グリーンウッドにパス。そこからマティッチ、ポグバと繋ぎ、最前線のクリスティアーノ・ロナウドにパスを入れるも、3人目の動きはなく、ルーク・ショーに落としてクロスを上げた。
ブルーノ・フェルナンデス、ポグバとパスの名手はいるが、前線の選手にオフ・ザ・ボールの動きが少ないため、単調な攻撃になってしまう。この問題をチーム全体で解決しない限り、いくらシュート本数が多くても、決まるゴールは少ないだろう。
試合後、オーレ・グンナー・スールシャール監督も「我々はチーム全体の体制やバランスを見直す必要があり、何かを変えなければならない。最近のチーム状態は良くなく、多くの勝ち点を失った。見直す必要がある。」と語っている。何を変えるのか、早期解決に向け、スールシャール監督の手腕が問われるだろう。