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日本代表 3年前

日本代表が失ったものとは? 高揚感も意外性もない。オーストラリア戦の選択肢はただ1つ【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

バランスを意識しすぎるあまり…



 現在の問題点は、失点を免れるためのバランス保持や陣形の維持に腐心しすぎるあまり、攻撃時に勝負を仕掛けて何か予想外のことを引き起こす力がほとんど失われてしまっている部分にあるように感じられる。

 組み立てはスローで意外性がない。たまにゴールを狙える位置まで入り込むことができたとしても、落ち着いてボールをネットに入れることができない。決定力不足の部分は日本代表にとって昨日や今日出てきたことではなく、永遠に悩まされる問題となりそうではあるとしても、このレベルでこれほどまでに受け身な戦いをしてはならない。森保監督の手元には豊富な攻撃のタレントが揃っているのだから、彼らには試合の流れを引き寄せるような非凡な瞬間を生み出すプレーをする自由が与えられなければならない。

 確かにジッダでの試合では久保建英、堂安律、伊東純也の3人が不在ではあったし、彼らは堅固な守備陣をこじ開けられる力を持った選手たちだ。ここまで最終予選で日本代表が挙げた唯一の得点である中国戦の大迫勇也のゴールにアシストを供給したのは伊東だった。だが久保と堂安は五輪の全試合に揃って先発したとはいえ、その大会中も、最近の予選のオマーン戦でも中国戦でも、すべての実力を発揮する自由を与えられていたとは言い難い。

 一方で、7月に移籍しながらもJリーグの得点ランキング3位に残っており、セルティック移籍後の8得点を加えて2021年の公式戦で24ゴールを挙げている古橋亨梧は、サウジアラビア戦の残り30分からようやく投入されただけだった。柴崎岳は明らかに元気がない様子で、失点に繋がった致命的なミスを犯す前から危険なポジションでボールを失ってしまうことが何度かあったが、それでも田中碧はベンチに残されたままだった。今の日本代表にぜひとも欲しいタイプの選手である三笘薫に至ってはメンバーに名を連ねてすらいない。

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