ハリルならすでにアウト。今、求められるのは…
すでにこの段階でサウジアラビアとオーストラリアは3連勝で勝ち点9。日本代表はかろうじて3位につけているものの、3ポイントで中国代表とオマーン代表を得失点差でかろうじて上回っている状況。ワールドカップストレートインの2位以内への道は相当に険しくなったのは確かだ。
今回の指揮官がヴァイッド・ハリルホジッチ監督だったら、この時点で解任されていただろう。
日本サッカー協会としても、東京五輪とA代表の「1チーム・2カテゴリー」を3年間一手に見てきた森保監督をそうそう切るわけにはいかないからこそ、判断を躊躇しているのだろう。しかし、12日のホーム・オーストラリア戦で失敗を繰り返せば「アウト」ということになりかねない。
幸いにも、今はまだ完全にワールドカップへの可能性を断たれたわけではない。ゴールと勝利という明確な形で流れを変えるチャンスは残されているのだ。
「厚みのある守備をするには、いいポジショニングをして、いい予想をして、セカンドボールを拾って2次、3次攻撃につなげないといけない」
吉田は神妙な面持ちでそう語っていたが、そういう躍動感と粘り強さのある攻めを見せられる人材は誰なのか。どの組み合わせがベストなのか……。森保監督は実績や経験値をいったん横に置いて、フラットに考え直すべきだ。
今、求められるのは、過去ではなく未来をしっかりと見据える目だ。指揮官はもちろんのこと、チーム全体がそういうマインドで仕切り直しをしてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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