【写真提供:JFA】
現地7日にカタールワールドカップのアジア最終予選が行われ、日本代表はサウジアラビア代表に0-1で敗れた。
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試合直後のフラッシュインタビュー中に事件は起こっていた。日本代表の森保一監督は「吉田(麻也)が(相手の)サポーターと少し言い合いになっているところがありました」と明かした。当該シーンとみられるスタンドから撮影されたと思しき映像はSNS上で広く拡散されている。
吉田のすぐ近くにちた森保監督は「サウジアラビアの勝利を喜んでいたサポーターが、そこで吉田に向かって、彼(吉田)が傷つくような行為をしていたのかなと。言葉はわかりませんけど、やはり表情とか仕草でそういうところはわかりますので」と指摘した。
実際、現場では何が起こっていたのだろうか。珍しく激昂した吉田は、試合後のオンライン取材のなかで「差別的なジェスチャーがあったので、1回(インタビューブースから)はけました」と怒りの要因を明かした。
客席から撮影された映像では、吉田がスタンドに向かっていって激しい口調とジェスチャーで観客に向けて何かを伝えている様子が捉えられていた。サウジアラビアのファン・サポーターからは吉田を嘲笑し、煽るような野次も音声として聞き取ることができた。
背景に映るスタジアムやスポンサーボード、観客の服装などを見るとSNS上に出回っている映像は現地7日のサウジアラビア対日本の試合後に撮影されたと思われるが、真偽については筆者独自に確認できていない。
ただ、吉田は「差別的ジェスチャー」があったと主張し、「受け入れられない」と断言する。
「もちろん彼ら(サウジアラビア代表)が耐え忍んで、1つのチャンスをモノにして勝ったので、勝ちに値するし、それは素晴らしいことだと思いますけど、受け入れられないものは受け入れられないし、前回の予選のときもそうだったので、ちょっと許しがたいなと思いました。
僕らはアジアカップで(サウジアラビア代表に)勝っていますし、前回の予選のホームのときももちろん勝っているし、そのときも決して自分たちはリスペクトを欠いたことはないし、日本のファンも同じくリスペクトを欠いた行為はなかったんじゃないかなと思うので、非常に残念です」
スタジアムで目撃した「差別的ジェスチャー」がどんなものだったのか、吉田は「ここでは控えます」と話して具体的には明かさなかった。ただ、「事務方からFIFAやAFCにレポートがいくようにする」と然るべき機関に訴え出る姿勢は見せている。
お互いのプライドが正面からぶつかりあった好勝負に水を差す、サポーターによる差別疑惑。サッカー界全体が差別に反対するメッセージを発信している最中に起きた今回の事象が、どのように推移していくか注意深く見守っていきたい。
(取材・文:舩木渉)
【了】