再現性のある攻撃はほぼなし
緊迫した接戦ではミスが明暗を分けることが多い。ミスをしたのは日本代表のほうだった。
柴崎の吉田麻也へのバックパスがずれて、相手FWへのラストパスのような形になってしまった。前半は素晴らしいプレーぶりだった柴崎はなぜか後半にミスを繰り返していた。50分には中盤でボールを失ってサウジアラビアの決定機になったが、このときは権田のファインプレーで救われた。ところがその後も自陣でドリブルを奪われるミスがあり、最後は失点につながるバックパスとなった。
先制されたのは痛かったが、それ以上に後半は決定機を作れていない。相手ボールを奪ってのショートカウンターはできるが、再現性のある攻め込みがほとんどなかった。
攻め込みの形は南野が左サイドからハーフスペースに入って鎌田と並ぶ。ところが、そのときに左サイドで幅をとる選手がいないため、相手の守備も中へ絞り込んでしまう。
右は浅野がいるが、左は外側が無人状態だった。本来ならそこにいるはずの長友はなぜか後方に待機。長友を上げる時間が作れていないのなら、南野の中へ入るタイミングが早すぎる。
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