元サッカー日本代表の岩政大樹氏は、「躍動するチームは論理的に作られる」という副題を付けた新刊『FootBall PRINCIPLES』を上梓した。「『海外』にあって『日本』に足りないものを、知らないではいられない。むしろそこの部分さえ、しっかりと語り合い、議論をし、整理することができればもっともっと素晴らしいサッカーを見せることができるのではないでしょうか」(「はじめに」より抜粋)と著者は綴る。そこで、今回は、確固たるスタイルを横浜F・マリノスとセレッソ大阪に浸透させた2人の外国籍監督の指導法を、本書より一部抜粋して紹介する。今回は前編。(文:岩政大樹)
ポステコグルー監督とロティーナ監督の練習を見にいったことがあります。前者は現セルティックFCの監督で横浜F・マリノスで素晴らしいチームを作り上げました。後者は東京ヴェルディ、セレッソ大阪そしていまは清水エスパルスの監督として哲学のあるサッカーを展開しています。ふたりとも「監督の力でこうも変わるものなのか」というほどのチームを作り上げた稀有な存在で、志向するサッカーのカラーこそ違いますが、そこに再現性や具体性が見えるという点では共通点も多いと思っています。
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わたしが見たのは、いずれも公開練習の日。ロティーナさんについてはセレッソの監督をしていたときのことですが、非常に学びの多いものでした。
まず、ふたりに共通していたのが練習の指揮をほとんどコーチに委ねているという点。練習前には綿密な打ち合わせをしてメニューを作成しているのだと思いますが、練習の説明もプレー中の声がけもほぼすべてコーチが行なっていました。
アップやフィジカル要素の強い練習ではフィジカルコーチ、テクニカル(技術)やタクティカル(戦術)の要素の強いメニューではヘッドコーチと役割分担がなされており、その間、監督は見守っていることがほとんどです。
一方、練習の中身に目を向けるとやや違いがありました。強調するポイントです。
(文:岩政大樹)
FootBall PRINCIPLES 躍動するチームは論理的に作られる
≪書籍概要≫
定価:1870円(本体1700円+税)
刊行:株式会社JBpress
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・つなぎ目のないサッカーを作り上げろ。
・世界のサッカーと日本のサッカー、根本的な「違い」とは?
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岩政大樹、2年半ぶりの新刊がついに刊行。
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ポステコグルーとロティーナに共通する点は?「監督の力でこうも変わるものなのか」【スタイルの構築・前編】https://t.co/fNtZxS5D3C
(文:岩政大樹 @_PITCHLEVEL )— フットボールチャンネル⚽️ (@foot_ch) October 5, 2021
【著者プロフィール】
1982年1月30日、山口県生まれ。東京学芸大学から2004年に鹿島アントラーズに加入。在籍10年でJ1リーグ290試合に出場し、3度のリーグ優勝に貢献している。2010年の南アフリカワールドカップでは日本代表に選出され、翌年のアジアカップでは優勝を経験した。BECテロ・サーサナFC(タイ)、ファジアーノ岡山、東京ユナイテッドFCを経て18年に現役引退。現在は上武大学サッカー部監督を務めている。
【了】