負傷明け早々の日本代表招集に懸念も…
今後は右サイドに縦への突破力が武器のアバダ、左サイドに変幻自在の突破とチャンスメイクが特徴のジョタ、そして中央にフィニッシュ役の古橋という補完性の高い3トップが定着していきそうだ。
ジョタのスコットランドでのデビューが9月に入ってからということもあり、古橋とアバダも含めた3人が同時にピッチに立ったのは9月30日のレヴァークーゼン戦が初めて。アバディーン戦が2試合目ということで、今後より連係や連動が洗練されていけば、攻撃陣の破壊力が増していくに違いない。
さらにジョタや古橋のユーティリティ性も生かせれば、流れを変えたいときにアジェティやジャコマキスらを投入しながら配置を入れ替え、攻撃パターンに多彩さをもたらすこともできる。ポステコグルー監督は横浜F・マリノス時代にも前線3トップの豊富な組み合わせをチームの武器の1つにしており、考えうるパターンも頭の中にたくさん蓄えてあるだろう。
こうして新たなユニットが可能性を発揮しはじめ、負傷からも復帰したばかりという状況で、古橋を日本代表へ招集したことには賛否両論あるのは間違いない。特にコンディション面への懸念は大きいだろうが、アバディーン戦ではフル出場しており、当初ほど大きな心配はなさそうだ。
今回の日本代表は不測の事態に備えて古橋を含め26人を招集しており、いざ合流して状態を見極めてから、7日のサウジアラビア代表戦後に日本への遠征を回避して所属クラブへ帰すという選択肢もなくはない。セルティックではすでに不可欠な存在として立場を確立できており、代表招集による離脱中にポジションを失う可能性も極めて低いだろう。
古橋が大きな負傷なく日本代表での活動を終えられれば、ジョタ、アバダとともに組むキレキレな3トップはセルティックの攻撃を引っ張る最重要ユニットになるはずだ。
(文:舩木渉)
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