ほぼ同じ形から…
ここまで簡単に振り返ってきたが、アトレティコ戦においてバルセロナが最も反省しなければならないのが、前半45分の中でほぼ同じパターンから崩されてしまったことである。
マンツーマンベースのバルセロナだが、随所で質的優位を作られ後手に回ってしまった。とくに苦労したのがJ・フェリックス。良いタイミングで顔を出してパスを受け、ドリブルでの前進を図るポルトガルの若きFWをバルセロナはまったくと言っていいほど止めることができずにいた。
23分の先制点の場面は、自陣からボールを引き出したJ・フェリックスにロナルド・アラウホが置き去りにされたことでアトレティコの攻撃が加速。結果的にアシストを記録するスアレスを誰も確認することができずライン間でフリーにし、アラウホがいないためその時点で最終ラインの中央にはジェラール・ピケ一枚が残る形に。その右脇をレマルに走られ、J・フェリックス→スアレス→レマルと繋がれて得点を許すことになった。
そのわずか5分後に、バルセロナは再びその形を作られている。右サイドでヤニック・フェレイラ・カラスコにボールを持たれて二人が引き付けられ、全員がボールウォッチャーになると、ライン間で今度はJ・フェリックスがフリーに。そこへボールを通されると、ピケがやや前に出ていたことでアラウホが一枚残る形になってしまい、スアレスにその脇を突かれる。J・フェリックスからのパスを受けた背番号9はシュートを外したが、完璧にやられていた。
そして44分の追加点の場面。ここではメンフィス・デパイが不用意にボールロストしたことでアトレティコのカウンターが発動し、サイドでボールを持ったJ・フェリックスにアラウホが引き付けられる。しかし十分には寄せられず、その背後を再びレマルに走られボールが繋がり、またもピケだけが後ろに一枚残る形に。そして最後は、レマルからのパスを受けファーサイドでフリーとなったスアレスに押し込まれている。
上記のことからも分かる通り、バルセロナはJ・フェリックスの対応に相当苦労したことで、必然的にスアレスやレマルらにも活躍の場を与えることになっている。そして押し込まれると最終ラインはバラバラで、ピケとアラウホが一枚だけ残る場面が散見。あまりに整備も修正もされていなかった。