“依存”か“信頼”か。C・ロナウドは超人だが…
95分。フレッジが左から入れたボールを、ファーでロナウドが頭でゴール前に落とすと、ジェシー・リンガードがちょこんとリターンパス。そのボールを、”36歳のサッカー小僧”が冷静に決め切って、“夢の劇場”は爆発。辛くもマンUがビジャレアルに2-1で勝利した。
エメリ監督がマンUを分析して練り上げてきたプラン。そのプランに沿ってダンジュマがダロトに対して優位に立ち、ビジャレアルの選手たちが奪った先制点。そしてマンUの選手たちのずさんな守備対応と個に頼りがちな攻撃。何よりホームであるにもかかわらず1-1のスコアで迎えた窮地――その全てを、ロナウドが1人でぶち壊した。
この得点によって、今後のマンUが背番号7に依存していくのか、ロナウドを頼れるフィニッシャーとして活かしていくのかは、現時点では分からない。“依存”と“信頼”は紙一重で、似て非なるものだ。
しかしロナウドが、依然としてロナウドであることを証明したのは間違いない。28日に行われたグループA、マンチェスター・シティ戦で一撃を見舞ったリオネル・メッシのように、サッカーの世界における“超人”は、まだまだ健在のようだ。
(文:本田千尋)
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