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バルセロナ、歴史的大敗はなぜ起こった? 擁護できない自滅行為、CLの舞台に相応しくなかったのは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

強度の低い守備。最も酷かったのは…



 バルセロナの守備時における弱点は明らかだった。インサイドハーフが前に出ることで空く中盤底の脇のエリアである。

 とくにカウンターからそのスペースをジョアン・マリオやラファ・シルバに突かれボールを前進させられると、ベンフィカの3トップに対しバルセロナは3バックで挑んでいるため、必然的に深い位置での1対1を作られる。アウェイチームはそこでことごとく後手に回り、フィニッシュに持ち込まれた。

 後半途中にセルヒオ・ブスケッツに代わりニコ・ゴンサレスが中盤底に入ってからは、よりその弱点が浮き彫りとなっていた。これもクーマン采配のミスと言っていいだろう。3-0の快勝を収めたレバンテ戦では守備時におけるインテンシティーの高さが光っていたバルセロナだが、このベンフィカ戦でその姿はどこにもなかったと言える。

 なかでもパフォーマンスレベルが著しく低かったのがエリック・ガルシアだ。

 今夏マンチェスター・シティから復帰した同選手は、先制点の場面でマッチアップしたヌニェスにドリブルを許しゴールを献上。2失点目のシーンでは2度もボールホルダーに寄せながら奪いきれず、深い位置へボールを持ち込まれ最終的にラファ・シルバに決定的な仕事を与えている。

 そして87分、相手に簡単に振り向かれ余計なファウルを犯し、この日2枚目のイエローカードを貰い退場。散々な出来となっている。クーマン監督の采配は確かに疑問だが、このレベルでかなり質の低いプレーを連発させられると、厳しいものがあるのも事実だ。

 足元の技術は確かに高いが、センターバックとしてフィジカルの弱さやスピードの無さは致命的で、とくに力のあるクラブ相手だとそのウィークポイントが前面に出てしまうことが多い。ここまで公式戦6試合に出場し、退場2回はその力不足が出ている結果と言わざるを得ない。言葉は厳しいかもしれないが、欧州最高峰の舞台であるCLに出るレベルではなかった。

 ネームバリューのあるクラブでCL開幕2連敗を喫したのはミランも同じだが、彼らとは負け方の質が違う。バルセロナは非常に深刻だ。これからクーマン監督に関するニュースが多数出てくるはずだが、クラブの未来はどうなるか。

(文:小澤祐作)

【了】

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