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アーセナル、冨安健洋が見せた課題とは?すでに不動の存在だが、トッテナムに狙われたのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

トッテナムに狙われた冨安健洋


 初の「ノースロンドン・ダービー」でも右SBで先発出場した冨安健洋。

 プレミアリーグ第4節ノリッジ戦でのデビューから3試合連続で先発に名を連ねており、チームに合流してから1ヶ月も経過していないが、すでに不動の存在となっている。

 冨安は試合開始直後から前への意識が高く、特に前半は出足の早い守備で対峙した選手たちに思うような仕事をさせなかった。61分にはハリー・ケインのシュートのこぼれ球にソン・フンミンが反応するが、冨安が先にスライディングでクリア。集中した守備でピンチの芽を摘んだ。

 データ会社『Squawka』によると冨安はチーム最多の67回のボールタッチと8回のボール奪取を記録。英『Sky Sports』のレーティングでは1ゴール1アシストを記録したスミス=ロウに次ぐ10段階中「8」の高評価を得ている。

 この試合でも空中戦の強さは光っており、5戦4勝と好成績を収めている。また、データサイト『SofaScore』によると、これまで出場した3試合の空中戦勝率は87.5%を記録しており、ワイドの選手と競ることが多いとはいえ、素晴らしい成績であることは間違いない。

 一方で後半には自身のサイドから崩されて加入後初となる失点を喫した。

 61分にはケインに背後をとられ、決定機なシュートを打たれるなど、後半から徐々に冨安の背後を突き始めたトッテナム。70分には冨安のサイドにトッテナムはブライアン・ヒルを投入し、左サイドで数的優位の形を作って、明確な意図を持って冨安の背後を狙った。

 そして79分、オリヴァー・スキップからの縦パスを冨安がカットするもクリアが中途半端になり、ボールをヒルに奪われてセルヒオ・レギロン、ソン・フンミンと繋がれて失点した。

 失点シーンも含め、冨安は前への意識が高い故に、試合終盤にかけて自身の背後を狙われる場面が目立った。自身の裏のスペースを周りの選手と連携しながら、どのようにケアをするのか再確認する必要があるだろう。

(文:安洋一郎)

【了】

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