狙われたルカク
チェルシーのルカクとヴェルナーというカウンター時におけるターゲットは、ペップ・グアルディオラ監督からすると、被カウンター時の守備の的を絞るという点で、非常に分かりやすかったようだ。
ボールを失った時の即時プレスを基本として、14分の場面のように、前線のルカクとヴェルナーを抑えた上で出し所に迷ったジョルジーニョを潰すことがあれば、20分の場面のように、ボールが入ったヴェルナーそのものを潰すこともあった。同様に後半の立ち上がり、46分にはエンゴロ・カンテからルカクへのパスをベルナルド・シウバが、48分にはジョルジーニョからルカクへのパスをロドリがカットしていた。
新加入のベルギー代表FWでさえも、ペップとシティの選手たちはボールの取り所として設定していたようである。
このようにシティはチェルシーを自陣に釘付けにすると、左SBジョアン・カンセロの攻撃参加も手伝って、53分にジェズスが決勝点を決める。先制点を奪った後のシティは、引き続き被カウンター時のルカクとヴェルナーへのパスを警戒しつつ、ハイプレスと引いたところからのカウンターを使い分けながら、ゲームの主導権を握り続けた。相手に枠内シュートを1本も許さず、チェルシーに1-0で完勝した。
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