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バルセロナの闇は深すぎる…。クーマン監督で解決できる問題ではない。選んだ“苦肉の策”とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

苦笑いの指揮官。追い打ちをかける判定



 試合に入れていなかった右ウイングのユスフ・デミルに代えて、同じポジションにセルジ・ロベルトを後半開始から入れてきた。もちろん、セルジ・ロベルトはこのポジションを本職としていない。しかし、負傷者が続出するバルセロナはベンチを3枠も空けており、この試合でベンチ入りした攻撃的な選手はフィリッペ・コウチーニョのみ。アンバランスな需要と供給の中で、苦肉の策を強いられたということになる。

 修正点も明確だった。カディスのライン間を起点に、ハーフスペースを縦に突破する形を狙っていた。51分にはセルジ・ロベルトからのクロスを、ファーサイドでメンフィス・デパイが狙う。しかし、決定的なチャンスには至らず、時間だけが経過していった。

 フレンキー・デ・ヨングはボールを収めた際に左腕が相手の顔に当たってしまい、61分にイエローカードをもらってしまう。すると、65分には縦パスを受けて前を向こうとしたところでトラップが少しずれ、出した足が相手に当たってしまった。カルロス・デル・セロ・グランデ主審は2枚目のイエローカードを提示し、フレンキー・デ・ヨングは退場になってしまった。

 この判定には指揮官も苦笑い。布陣を4-4-1に変更したが、ゴールは遠かった。終盤はカディスにも疲労の色が見られたが、バルセロナにはとどめを刺すだけのパワーを持っていなかった。デパイの単独突破と、それによって生まれるFKのチャンスに期待するだけ。しかし、キッカーを務めるコウチーニョはコンディションの問題もあってか、精彩を欠いていた。

 バルセロナはこれで3戦未勝利となった。クーマン監督と会長の確執もささやかれ、後任候補が連日のように伝えられている。果たして、バルセロナが浮上するには何が必要なのだろうか。

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