セリエA第4節が現地19日に行われ、ユベントスはミランと1-1で引き分けた。2シーズン前までリーグ9連覇の絶対王者だったユベントスが開幕から4試合連続未勝利という異常事態に陥っている。これほどまでに勝てなくなってしまった理由は一体どこにあるのだろうか。(文:舩木渉)
かつては堅守が武器だったが…
ユベントスがリーグ戦開幕から4試合連続で未勝利というのはクラブ史上4度目で、60年ぶりのことらしい。
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1897年に創設されたクラブの歴史上、過去に3度しかなかった開幕4試合未勝利がすべて60年以上前のことと言い換えると、今季のスタートがいかに厳しいものかおわかりいただけるだろう。端的に言えばヤバい状況だ。
シーズンをまたいでリーグ戦17試合連続で失点を重ねているのもユベントスらしくない。一体どうしてしまったのだろうか。
現地19日に行われたセリエA第4節のミラン戦は、1-1の引き分けに終わった。序盤の4分に電光石火のカウンターからFWアルバロ・モラタが先制ゴールを挙げ、前半は守備も大きな破綻なく無失点。今季の公式戦では随一の内容だった。
ところが徐々にミランに主導権を握られると、76分にコーナーキックからFWアンテ・レビッチに同点ゴールを奪われてしまう。86分にもDFピエール・カルルにあわや逆転ゴールかという場面を作られるなど、選手同士の距離感が悪いユベントスの守備のバランスは崩壊しかかっていた。
セリエAを9連覇していた当時のユベントスは、堅守をチームの武器の1つにしていた。2015/16シーズンは38試合でわずか20失点、続く2016/17シーズンは27失点、そして2017/18シーズンは24失点と試合数を大幅に下回る失点数で他クラブに付け入る隙を与えなかった。
2018/19シーズンからは30失点、43失点とゴールを許す回数が増え始める。それでもセリエAのタイトルを手放すことはなく、失点の増加もそれほど気にならなかった。なぜなら2018年夏にクリスティアーノ・ロナウドという異次元の得点源が加わったからだ。