冨安健洋は「完璧な右SB」
特に大きかったのが前半39分のシーンだ。セットプレーの流れから浮き球のボールにベン・ホワイトが背後を取られてバーンズにシュートチャンスが巡ってくるのだが、ガブリエウと共に足を投げ出してブロック。バーンズの方がボールに近く、反応も速かったのだが、持ち味であるスピードと身体能力の高さを活かしてブロックすることができた。
また、データ会社『Squawka Football』によると、空中戦4戦4勝、地上戦1戦1勝とデュエル勝率100%を記録している。バーンリーの強靭な2トップはCB陣と競り合う機会が多く、冨安はウイングのドワイト・マクニールと対峙する機会が多かったのだが、あらかじめ準備をした上で守ることができていたため、特に空中戦は余裕を持って対応をしていた。マクニールのドリブルにもしっかりと対応し、自身のサイドからオープンプレーではクロスを上げさせる機会をほとんど作らせなかった。
試合後、アルテタ監督は冨安とガブリエウについて、「2人とも本当に素晴らしかったと思う。4バックは全体的にとてもソリッドだった。相手がプレッシャーをかけてきてもあまりやられなかった。本当に良かったと思うよ」と高く評価をしている。
また、試合後にアルテタ監督が直接、冨安の労をねぎらう姿がSNS上で拡散されていた。現地サポーターも「冨安は素晴らしい契約だった。遂に完璧な右SBが来たよ」と絶賛している。
チームに合流して間もない中で、早くも監督とサポーターの信頼を掴んだ冨安健洋。次節、アーセナルはトッテナムとの「ノースロンドンダービー」を戦うが、加入後初となるビッグマッチでも安定感抜群のプレーを披露し、3連勝に導く活躍ができるだろうか。
(文:安洋一郎)
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