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リバプールは余裕だった。ACミランに“飛車角落ち”でも勝利、クロップ監督が送った指示とは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

ACミランに与えた隙



 ところが42分、まるで暴風雨の合間に一瞬だけ晴れ間が覗いたように、リバプールのプレスが止んだ。右サイド(ミランからすると左サイド)のハーフウェイライン付近でブラヒム・ディアスに思考の時間を与えると、ミランの10番は中央のアレクシス・サーレマーカースにパス。さらにベルギー代表MFのパスを、アークの中でラファエル・レオンがボックスの右のアンテ・レビッチに繋ぐ。これを決め切られて同点に追い付かれてしまう。

 さらに直後の44分にも、同様の形で右サイドのハーフフェイ付近からレオンにドリブルを許し、アークの手前で右のレビッチに繋がれ、クロアチア代表FWはゴール前に折り返す。テオ・エルナンデスのシュートをアンドリュー・ロバートソンがブロックするが、ディアスに詰められ、逆転を許してしまった。8季ぶりの出場とは言え、CLの本選に出場してくるチームに隙を与えれば、失点は免れないようだ。

 このようにして、弾丸のようなプレッシングを主体に試合を支配しながら、逆転されてハームタイムに突入したリバプールだったが、試合後に残した本人のコメントによれば、クロップ監督は全く怒っていなかったという。熱血漢の指揮官は、ある場面が写された1枚の写真もしくは静止画を見せ、次のような指示を出したのだそうだ。

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