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リバプールは余裕だった。ACミランに“飛車角落ち”でも勝利、クロップ監督が送った指示とは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第1節、リバプール対ACミランが現地時間15日に行われ、3-2でリバプールが勝利した。一時は逆転を許したリバプールだったが、後半に2点を取って逆転に成功している。再逆転のきっかけとなったのは、ユルゲン・クロップ監督の的確な修正だった。(文:本田千尋)


完全に試合を支配したリバプール

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【写真:Getty Images】

 ユルゲン・クロップ監督は全く怒っていなかったという。

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 現地時間9月15日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)、グループBの初戦。観衆が戻って熱気が立ち込めるアンフィールドにACミランを迎えた試合の前半を、リバプールは1-2で折り返した。

 先制したのはリバプール。9分、右サイドでトレント・アレクサンダー=アーノルドが、外に張ったモハメド・サラーとのパス交換からボックス内に侵入して決め切る(記録はオウンゴール)。試合開始からチーム全体でミランにプレスを掛けていったリバプールだったが、弾丸のようなプレッシングは絶え間なく続いた。

 地獄のようなアンフィールドの雰囲気の中、怒涛の勢いでプレスを掛けられ、ミランの選手たちは生きた心地がしなかったに違いない。リバプールに欧州屈指の圧力を掛けられたイタリアの名門は、まともにビルドアップすらできず、ボールを蹴っては回収され、カウンターを喰らい続けた。

 中盤ではナビ・ケイタとファビーニョにプレスを掛けることができず、悠々とパスを回された。14分にサラーがPKのチャンスを決め切れなかったが、そんな失敗が些細なものに思える程に、スタジアムの空気も含め、リバプールがゲームを完全に支配した。

【次ページ】ACミランに与えた隙

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