最大の敗因は…
もちろん結果論になってしまうが、その2つの要素を敗因として考えることはできるだろう。サッカーの試合には“流れ”と、そこから生じる“運”または“不運”という人知を超えたものが存在するし、何らかのアクシデントも付き物だ。
また、5枚で引いてカウンターという形は、そもそもリーグ戦でやり慣れていないスタイル。1人少なくなったからと言って、弱気になってしまっては、かえってアンダードッグの“下克上心”に火をつけてしまったようだ。
しかし最大の敗因は、ヤング・ボーイズが見せたサッカーのスタイルにあったのではないか。敵将のデイヴィッド・ワグナー監督は、ユルゲン・クロップの影響が色濃いソリッドなサッカーを披露。元アメリカ代表の指揮官は選手時代、現リバプールの監督とマインツでチームメイト同士だった。指導者となってからは11年7月から15年10月まで、当時トップチームの監督だったクロップの縁でドルトムントのセカンドチームを率いていた。両者は20年以上の付き合いになるという。
[4-1-4-1]で強度の高いブロックを構築したヤング・ボーイズは、マンUのビルドアップに対して整備された連動したプレスを掛け、ボールを奪ってからの攻撃もスムーズで、チーム全体で攻守のイメージがしっかりと共有されていた。[4-1-4-1]だけでなく[5-4-1]も使いこなすクロップ流のソリッドなサッカーを相手に、マンUはテンポを速くしてパスを回すことはできなかった。
もちろんテンポの速いパス交換が実現できなかったのは、この試合で先発したファン・デ・ベークが未だにフィットしていないという側面もある。ただ、この強固な守備組織があったからこそ、ワン=ビサカのレッドを招いたとも言えるだろう。そして10人になり、不慣れなカウンター型を敷いたことで、ヤング・ボーイズのインテンシティの高いサッカーに力負けすることになった。