勝負を分ける「準備」
「人々は私の1つ目のゴールを見て簡単だと思ったかもしれない。そうじゃないけどね」
ポストへの跳ね返りが運よくレバンドフスキの下へ転がったようにも見えるが、稀代のスコアラーからしてみれば、「この手のゴールはある種、思索的なもの」だったという。つまり、偶然ではなく、論理的に導き出したものだった。
シュートシーンをよく見ると、ムシアラがシュートを放つ瞬間、跳ね返りに反応するために反転している。先日のクリスティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッド復帰初戦で決めたゴールもそうだが、点を取れるストライカーは、こういった準備を怠らない。そして、そういった細部にこそ勝敗を分ける要素は存在していて、レバンドフスキのような選手はそれを決して怠らない。
メッシとグリーズマンが抜け、チームの再構築を迫られるバルセロナ。今季の優勝の本命ではないかもしれないが、バイエルンとの差はスコア以上のものがあった。
(文:加藤健一)
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