久保建英の評価は…
日本代表での活動を終えクラブに合流した久保建英はこの日、トップ下で先発起用されている。スタメン入りはこれで3試合連続ということになった。
先述した通り、マジョルカの攻撃陣はファーストシュートを放つまで32分もの時間を費やすなど大苦戦を強いられていた。もちろん、久保も例外ではない。ビルバオ側にマンマークを付けられるようなことはなかったが、やはり4-4-2のブロックが堅く、中央のスペースが空かないため効果的な縦パスをなかなか収められない。守備に回る時間も必然的に多くなっていた。
久保は流れの中でサイドに顔を出すことも少なくなかった。中央が窮屈なため、よりボールを受けやすい位置へ、という意識なのだろう。それほど、ビルバオ守備陣の圧力は相当なものがあった。
久保は最終的にアブドン・プラッツと交代する77分までプレー。データサイト『Who Scored』による主なスタッツはシュート数1本、タッチ数34回、パス17本、キーパス1本、ドリブル成功数2回となっている。タッチ数34回はスタメン組ワースト3位となる成績だ。
しかし、全体的に苦戦を強いられたのは紛れもない事実なのだが、限られたタッチ数の中でキーパス1本やドリブル成功数2回を記録するなど、ボールを持った際のアクションはマジョルカ攻撃陣の中でも非凡なものがあった。パスが入れば前を向き、顔を上げて空いたスペースへスルーパスを流し込みリズムを生み出す。こうしたシーンはピッチの中で何度か見られた。
久保自身コンディションは良さそうで、身体はよく動いていた。確かに存在感はあまり大きくなかったかもしれないが、それは背番号17のパフォーマンスの問題というより、ビルバオの完成度が非常に高かったからと言えるだろう。『Who Scored』によるレーティングも平均的となっている通り、指揮官の信頼を失うような出来ではなかったと言えるはずだ。