日本初の女子プロリーグであるWEリーグが12日に開幕する。残念ながら、なでしこジャパン(日本女子代表)は東京五輪でメダルに手が届かなかったが、プロリーグの開幕は日本における女子サッカーの発展に大きく影響するだろう。成功のカギはどこにあるのか。プロ化から4年目を迎えたイングランドの女子スーパーリーグ(WSL)を例に、成否を左右する要素を考える。(文:ショーン・キャロル)
女子サッカーが迎えるもう1つの節目
東京五輪でのなでしこジャパンは、多くの国民からの期待に応える結果は残せなかったと言って差し支えないだろう。最後までギアが入ることはなく、この大会の銀メダリストとなるスウェーデン女子代表を相手に、準々決勝であっさりと敗退してしまった。
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大会後には高倉麻子監督の指揮体制にも終止符が打たれた。後任監督の任命にあたってJFA(日本サッカー協会)は岐路に立たされており、日本の女子代表チームにかつての栄光を取り戻すべく外国人監督を招くことが検討されているのではないかという噂もある。
そのためにもう一つの大きな足掛かりとなるのが、女子初の完全プロリーグとして今週末に待望の開幕を迎えるWEリーグだ。2021年という年が、日本の女子サッカー発展に向けた重大な節目になるという印象をさらに強める一歩となる。
新リーグは多くのチャンスをもたらすものであると同時に、未知の世界に飛び込む挑戦でもある。シーズン開幕に向けた熱気を、より長期的な何かへと繋げ、選手たちやクラブがプロフェッショナルという新たな立場に順応していくことが不可欠となる。
創設メンバーとなる11チームのうち10チームがリーグ初年度の開幕を日曜日に迎える。それに向けて、様々なメディア報道の中で「強化」や「盛り上げ」といった言葉が飛び交っている。リーグが最終的にどの程度成功できるかを決定づける要因は数多くあるとしても、やはり重責を担うのはまず選手たちや監督たちであり、ピッチ上でどのようなパフォーマンスを見せられるかに懸かっている。