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日本代表、過酷な10月2連戦が「前半のカギ」。サウジ戦とオーストラリア戦で予想される展開とは?【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by JFA

日本代表
【写真提供:JFA】



 日本代表は、7日に行われたカタールワールドカップ・アジア最終予選の中国代表戦に1-0で勝利した。

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 9月シリーズは2日にオマーン代表戦を落としたものの、中国には勝って1勝1敗。アジア最終予選では2試合を終えてグループ4位につけている。ワールドカップ出場権を獲得するためには、1つの負けも許されない状況が続く。

 そこで極めて重要になるのが、10月シリーズの2連戦だ。日本のキャプテンを務めるDF吉田麻也は「前半のカギになると思う」と気を引き締める。

 日本代表は10月シリーズで、7日にアウェイでサウジアラビア代表と、そして12日にホームでオーストラリア代表との対戦を予定している。いずれも9月に2連勝して勝ち点6を積み上げ、日本より上位につけているチームだ。

 MF柴崎岳は「(サウジアラビアとオーストラリアは)10月にアウェイとホームで対戦しますけど、この予選で1つのターニングポイントになるかなと。ここで勝つか、負けるか、引き分けるか、いろいろな結果で今後が大きく変わってくる要素はあるのかなと思います」と述べた。

 今回は「入国翌日から3日連続でPCR検査陰性でなければ試合に出場できない」というルールの縛りを受けて欧州組の一部選手がオマーン戦に間に合わず。また、欧州組の選手たちはシーズン開幕直後のコンディションが万全でない中、日本への長距離移動を強いられた。国内組もJリーグが連戦中で、チーム全体として状態の悪さが目立った。

 そして一度日本に集まってからカタールへ移動という過酷な遠征があり、試合に向けた準備に大変な困難があったのは否めない。

 だが、10月も同様に準備段階で極めて難しい調整を強いられるだろう。1戦目の開催地であるサウジアラビアは、日本代表選手の大半がプレーする欧州から近く、時差も少ない。しかし、現在は日中の気温が40度を超え、日没後も30度以上と厳しい暑さを記録している。

 1ヶ月後に気温が急激に下がっているとは考えにくく、冬に向かう季節の欧州から移動して短時間で気候に順応するのは非常に難しい。サウジアラビアの試合会場は、カタールのスタジアムのように空調が効いていない可能性も高い。

 加えて国内組も週末の試合を終えてすぐサウジアラビアに移動し、オーストラリア戦のために日本に戻ってくるとなると、その過酷さは想像に難くない。長距離移動になるのは欧州組も同様で、現状の日程と開催地に変更がなければ、1戦目よりも2戦目のホームゲームの方がグループ最大のライバル相手に難しいコンディションで戦わねばならないかもしれない。

 柴崎は9月シリーズの代表チーム開催に際し、「先ほどチームとしても、『10月は本当に大事なものになる』という話をしていたので、個々が非常に重く受け止めて、準備しなければいけない」と強い覚悟を口にしていた。

 オマーン戦は準備段階においてフィジカル的にもメンタル的にも不足があっただけに、「まずは中国戦の準備をスタンダードにしなければいけないですし、よりよくしなければいけないと思うので、この勝利に浮かれず、まだまだ自分たちは厳しい立ち位置にいるんだということを自覚して、10月を全員で迎えたいと思います」と気を引き締めた。

 吉田は「(欧州との)時差が1時間で、移動距離が短いのは非常に大きい。もう1つは今回の9月から10月シリーズまで間隔が短く、(戦術面の)すり合わせに時間がそんなにかからないのは大きい」とポジティブな面について言及しつつ、「サウジアラビアは僕たちよりいい準備ができている」と最終予選2連勝中の相手に警戒を強める。

「サウジアラビア、オーストラリアも勝ち点6を取っていて、僕らは勝ち点3なので、この2つを叩ければ勝ち点9で同率で首位に並べる可能性が出てくる。こんなに早く取り戻せるチャンスが自分たちの目の前にくるということで、またモチベーション高くやらないといけないと思っています。再三言っていますが、ここがカギになると思います」(吉田)

 10月の2連戦を勝ち抜くために、森保一監督はどのような編成のチームを作るだろうか。「自分たちのコンディションを整える、気持ちの面での覚悟を相手より上回って戦っていくことの準備がまず必要」だと指揮官は言う。

「次のサウジアラビア戦はおそらく暑い中で戦わなければいけないと思いますので、オマーン戦のように、自分たちがやろうとすることと表現することのギャップが出ないように、しっかりと意思統一して、チームとしていい距離感で連係・連動できるように準備しなければいけないと思います。結果が全てだと思うので、結果にこだわって、結果を出すためにプロセスにこだわって、しっかり準備していきたいと思います」(森保監督)

 7大会連続のワールドカップ出場権を引き寄せられるか、遠ざかってしまうかの山場は、もうすぐ目の前にある。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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