【写真提供:JFA】
日本代表は、7日に行われたカタールワールドカップ・アジア最終予選の中国代表戦に1-0で勝利した。
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この試合で日本は、0-1で敗れた2日のオマーン代表戦からスタメンを4人変更。FW古橋亨梧は左サイドで先発起用されて50分までプレーした。
古橋にとって日本代表での初スタメンだった6月のタジキスタン代表戦は右サイドに配置され、1得点1アシストを記録。続くセルビア代表戦ではセンターFWとして先発メンバーに入るなど、さまざまなポジションでプレーしている。
しかし、今回の9月シリーズは途中出場だったオマーン戦も先発起用された中国戦でも左サイドに入った。森保一監督は中国戦の先発メンバーに古橋とMF久保建英を抜てきしたことについて記者会見で問われると、「大迫(勇也)を軸として、起点とした時に、2人ともいい絡みができる、コンビネーションができるということで起用しました」と自らの考えを説明した。
今後もセンターFWは大迫が「軸」になっていくと、監督の発言を真正面から受け止めるとすれば、タイプの違う古橋が中央でレギュラーポジションを獲得するのは難しいかもしれない。そうなると、2列目での起用が基本になりそうだ。
とはいえ中国戦でも、古橋が輝いたのは中央寄りでプレーしていた時間帯だ。オマーン戦では左サイドに張ってドリブルで縦に仕掛ける場面が多く見られたが、中国戦では中央に絞って周りの選手たちと近い距離で連係できた時に背番号18の本来の持ち味が発揮された。特に前半は積極的にフィニッシュにも絡み、3本のシュートを放った。
やはり古橋の最大の武器は相手ディフェンスを出し抜く一瞬の動き出し。その先のプレーで、ペナルティエリア内におけるフィニッシュパターンの豊富さやシュート時の冷静さが決定的な違いを生み出す要因になっている。
今夏から所属するスコットランド1部のセルティックでも、しばしば左サイドで起用される。しかし、そのポジションでプレーした先月末のレンジャーズ戦後には、アンジェ・ポステコグルー監督が「キョウゴは中央でプレーする方が相手にとってはるかに脅威を与えられる。正直に言えば、試合開始時から彼を中央で起用すべきだったと思う」と悔やみ、自らの采配ミスを認めていた。
日本代表のセンターFWには大迫だけでなく、フランス2部のトゥールーズでプレーするFWオナイウ阿道らもいる。そうした現状もあり、古橋は左サイドあるいは2列目での起用が中心になっていきそうだ。
また、怪我の状態も心配される。大迫のゴールで前半のうちに先制した中国戦では、さらに勢いを持って攻めていこうというタイミングで足を痛め、後半開始してすぐの50分に交代を余儀なくされた。
森保監督も「古橋については替えるタイミングを考えていた時に残念ながら怪我をしてしまっての交代でした」と明かしている。「よりゲームを完璧な状態で終わらせられるように」追加点を奪うというチームの課題を解決するためにも、古橋は重要なオプションだ。セルティックでゴールを量産して絶好調だっただけに、本人としても痛恨の負傷だろう。
クラブでのいい流れを日本代表にも持ち込んで勝利に貢献してもらうには、最適な起用法の検討も必要になる。だからこそ継続的な招集と起用が重要。古橋が10月シリーズに参戦できなければ、日本代表の今後に向けた大きな痛手となるのは間違いない。
(取材・文:舩木渉)
【了】