「決め切る部分」の答え
森保監督は、ラスト15分のところで伊東と鎌田大地を交代。久保と鎌田の共存にもトライしたが、ほぼ初共演に近いコンビは思ったほど機能しない。主力の大迫らも疲労困憊で長友佑都も負傷とラストの時間帯は本当に苦しくなった。それを何とか吉田らの気迫で押し切り、1-0で勝利。大迫も言う通りの「最低限の白星」を収めるのが精一杯だった。
「初戦を落としていたので、チームとしてもここで勝って絶対に勝ち点3を取りたいという思いが強すぎた部分はあったし、追加点が課題なのは間違いないと思います」と殊勲の背番号15が厳しい表情を見せ、吉田も「追加点で相手の勢いを止めなきゃいけなかった」と課題を口にした。ここまで決定力を欠くと先々が思いやられるのは確かだ。大迫という絶対的エースが1つ均衡を破ったのは前向きな材料と言えるが、それ以外の明確な得点源を生み出さなければ、残り8戦もズルズルいってしまう恐れがある。
さしあたって10月はアウェイ・サウジアラビア代表戦とホーム・オーストラリア代表戦の2試合が予定されている。ここで勝ち点6を取れなければ、B組2位以内が危うくなる。3位でプレーオフに回ることになれば、アジアのライバルに勝ったうえ、大陸間プレーオフを戦わなければいけない。
しかもその大陸間プレーオフは抽選で、南米なのか北中米カリブ海なのか、オセアニアなのか分からないという未知なるもの。そこまで行くことだけは絶対に回避しなければいけない。ゆえに、「決め切る部分」の答えを短期間で見出すことが肝要なのだ。
中国戦で「個の打開」という重要な仕事を担っていた伊東が次戦は出場停止。古橋や南野拓実のケガも未知数だ。大迫ら既存アタッカー陣はコンディションが上がり切っていない。今回低調だった鎌田や原口を含め、クラブで試合に出続け、1カ月後に調子をグッと上げて戻って来てくれなければ、日本代表は自信を持って戦えないだろう。
さらに言うと、攻撃パターンの工夫やバリエーションも足りない。