フットボールチャンネル

久保建英が日本代表最高の選手だった。中国戦で誰よりも良いキレ、脅威になり続けたレフティーの凄さ【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
【写真:Getty Images】



【日本 1-0 中国 カタールW杯・アジア最終予選】

【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 日本代表は7日、FIFAワールドカップカタール2022・アジア最終予選で中国代表と対戦し、1-0で勝利している。

 勝ちはしたが…というような内容だった。中国代表は5-3-2で臨んできたが、ただ後ろに人を置いているだけで強度は全くと言っていいほど高くない。日本代表は言ってしまえば攻め放題だった。事実、この日のシュート数は18本だ。

 しかし、奪ったのは前半の大迫勇也による1点のみ。相手のレベルを考えれば、寂しい数字と言わざるを得ない。中国が後半の戦い方を前半からしていれば、再び無得点に終わっていた可能性も高いだろう。勝ったことはまず評価すべきかもしれないが、ワールドカップ出場へ向けての不安を払拭したとは言い難い。

 その中でも久保建英の存在感が際立っていたのは、今回の日本代表におけるわずかな収穫の一つと言えるかもしれない。

 オマーン代表戦で途中出場だった久保は、中国代表戦でトップ下として先発した。立ち上がりからチームとして攻める時間が増える中、背番号17もよくボールに触れている。23分にポスト直撃のシュートを放ち、38分にはGKヤン・ジュンリンを襲うミドルシュートを放つなど、攻撃を活性化していた。

 東京五輪での激戦を終えてスペインへ渡り、マジョルカでもすでに多くの出場機会を得ている久保は身体のキレが誰よりも良かった。ボールを持てば非凡な推進力をみせ、ワンタッチやツータッチで捌くこともでき、狭いスペースにもバシバシとパスを送り込む。そして、シュートにいく積極性も。あらゆる部分で躍動する久保を、中国代表はまったく止めることができていなかった。鎌田大地が絶不調すぎたゆえ、より若きレフティーの素晴らしさが際立っていた。

 結局、久保にはゴールもアシストもつかなかったわけだが、攻撃陣の中で最も相手に怖さを与えていた人物であったことに疑いの余地はない。AFC(アジアサッカー連盟)公式サイトによるマッチレポートにも「中国はハーフタイム後に修正され、ウー・シーが頭でシュートを打つなど自陣でのプレーが少なくなったが、久保が中国の意表を突く責任を負うことで、日本は脅威になり続けた」と記載されている。それほど、20歳のMFが印象的だったという何よりの証拠である。

 AFC公式サイトによる試合後の久保の主なスタッツはシュート数3本、パス本数62本、パス成功率79%、敵陣でのパス成功率75%、チャンスクリエイト4回となっている。パス成功率に関しては決して高いと言えないが、プレーエリアのほとんどがアタッキングサードだったことを考えればそこまで悲観する必要もないか。パス本数は攻撃陣で最多、チャンスクリエイト4回はチーム最多となっているので、目に見える結果があればなお良かったが、トップ下としての役割は十分果たしたと言っていいはずだ。

 森保一監督は東京五輪で久保を攻撃の核として重宝したが、A代表でも同様の扱いをしてもいいのではないだろうか。年齢や経験値は関係ない。今の日本代表には、それだけの変化が必要なのである。

(文:編集部)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!