【写真:Getty Images】
日本代表は2日に行われたカタールワールドカップ・アジア最終予選の初戦で、オマーン代表に敗れた。
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アジア最終予選の初戦を落とすのは2大会連続だが、前回は結果こそついてこなかったものの内容面ではポジティブな要素が少なくなかった。一方、今回のオマーン戦は内容面でも収穫は少なく、厳しい現実を突きつけられることになってしまった。
「本当に切り替えないといけないと思いますし、もちろんもう1回試合ができるとか、あの試合の結果が返ってくるわけではないので、試合に出たメンバーだけでなくて、今回招集されたメンバー全員に責任があると思います。
みんなで、試合に出た・出ていないに関係なく、この結果を重く受け止めて、次の試合はもちろん内容も大事ですけど、まず結果を求めて、勝ち点3は必ず取って帰らなければいけないと思います。そういう強い覚悟をみんなで持とう、という話はもちろんチーム内で出ています」
追加招集で2日のオマーン戦直前にチームに合流したDF昌子源は、同じく初戦を落とした前回大会のアジア最終予選も経験している選手の1人であり、厳しい状況からロシアワールドカップ出場権獲得までの道のりをよく知っている。だからこそ「最終予選の一発目でやってはいけない試合をしてしまったというのは、みんなもわかっていること」と述べたうえで、「日本代表」としての強い自覚を説く。
「日本代表を背負っている以上は、国民のみなさんを喜ばせないといけない立場でもあると思いますし、ただでさえみなさんが新型コロナウイルスで苦しんでいる中でこうやって試合をさせてもらって、恩返しという意味でも、ホームでもアウェイでも、まずはやっぱり勝たなければいけなかった」
ワールドカップは「日本のサッカー選手みんなが出たいと絶対に思っている」場所。日本代表がその舞台に立つためには、どんな時も招集された選手たちが最高の戦いをし、予選を突破して切符をつかみ取らなければならない。
「僕らだけが戦っているわけではないですし、日本代表って本当に大きなものを背負って戦っている。それをわかったうえで、もちろんプレッシャーはクラブとはまた違いますけど、そういう中で戦える喜びを持ちながら、やっぱり勝たなければいけないと思います。そういうのをすごく思いますね。ワールドカップに向けて、もちろん僕もそうですけど、いろいろな選手が持っている気持ちを背負って戦いたいなと思っています」
アジア各国のレベルが上がり、アジア最終予選を突破するのは以前に比べて難しくなったと言われる。選手たちも口々に「これまでとは違う戦いになる」と話している。一方で日本代表はワールドカップに出て当たり前だと思われている側面もあり、チーム内外における認識のズレからくるプレッシャーもあるだろう。
昌子が説くのは、そうした重圧をはね除けて勝ち続けるための覚悟の必要性だ。オマーン戦での敗戦を受け、改めて日本代表選手が背負うものの大きさを自覚しているようだった。
「もちろんアジアのレベルが上がっていると言われますし、でもアジア全体が上がらないといけないとも思います。その中でもやっぱりトップに位置づけられる日本は、常にチャレンジされる立場。僕らはそういう彼らを受け入れるんじゃなくて、オマーンや中国はわかりやすく言えばFIFAランキングで日本より下ですけど、そういうのに関係なく、僕らもやっぱりチャレンジして、勝ちにいかないと勝てない。
日本がワールドカップで勝ち進むために、やっぱり僕らもどんどん成長しなければいけないですし、僕らが成長していかないと。ずっとワールドカップで上位にいる国、ヨーロッパや南米のチームの成長が止まっているかと言ったらそうじゃないと思うし、どの強豪国も成長していっている中で、僕らも成長していかないと一向にその差は縮まらないと思います。
そういう意味では、アジアで圧倒的な力というんですかね、アジアではまず必ず全部勝つというのも大事な要素だと思います。今回1つ負けてしまいましたけど、残りでまだ取り返せるチャンスは全然ありますし、そこで僕らがトップだと待ち受けるんじゃなくて、やっぱり僕らもチャレンジして、どういう相手であっても勝ちにいくというのが、今は大事なんじゃないかなと思っています」
中国戦は今後の日本代表を占う分水嶺になるかもしれない。7日の試合でどんな戦いを見せ、どんな結果を持ち帰れるか。日本代表選手たちの覚悟が試される。
(取材・文:舩木渉)
【了】