根本的に不足していたのは…
攻撃のテンポアップができず、停滞したときのポジション・バランスも良くない。一方、オマーンはカウンターの流れをなるべく止めずに、つまり日本代表のDFを動かした状態でラストパスまで持っていけていた。精度がないので助かっていたが、やられても不思議でないケースが何回かあった。
根本的にはコンディション不足、そのための強度不足である。
42分にペナルティーエリア内でシュートされ、吉田麻也がブロックしたシーンでは、鎌田大地が守備に入れていない。日本代表のカウンターがカットされた後、オマーンは左から右へサイドを変えている。ここで鎌田が守備に入るのが少し遅れていた。そのままオマーンは日本代表の左サイドから中へつないでシュートしているが、鎌田はボールに近い位置にいながら最後まで守備に入れていなかった。
60分には、日本の右サイドでオマーンがインナーラップで裏へのランを仕掛け、酒井宏樹が振り切られている。シュートがGK権田修一と吉田麻也に当たって難を逃れたものの決定機な場面だった。どちらもトップコンディションであれば未然に防げたかもしれないが強度不足だった。
88分の失点はオマーンのクロスの質、植田直通の背後から前へ入ってシュートした動きの質が見事だったとはいえ、その前にサイドで囲み損ねてワンツーで突破されたのが痛かった。これも強度不足だった。
【次ページ】整合性のとれていないプラン