【写真:Getty Images】
スペイン1部リーグ所属のマジョルカは30日、韓国代表MFイ・ガンインをフリーで獲得したことを正式に発表した。契約期間は2025年6月30日までの4年間となっている。韓国の神童と呼ばれるそのプレーとは?
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幼い頃から韓国サッカー界の「神童」として注目を集めていたイ・ガンインは10歳で家族と共にスペインへ渡り、バレンシアのカンテラ(下部組織)に入団。そこで着実に評価を高めると、2018年、当時17歳でトップチームデビュー。そして年明けには正式にトップチーム昇格を掴んでいる。2019/20シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)にも出場し、韓国人選手のCL最年少出場記録を更新した。
しかし、ここ最近はクラブとの関係が悪化したこともあり出場機会は限定的に。そして先日、クラブとの契約を解消したことが発表されていた。バレンシアでの成績は公式戦62試合出場3得点4アシストだった。
年代別代表では主力として活躍してきており、2019年のFIFA U-20ワールドカップでは母国の準優勝に貢献。大会MVPにも輝いていた。フル代表デビューは2019年9月のことで、ここまで6試合に出場している。
そんなイ・ガンインは果たしてどのようなプレースタイルの持ち主なのだろうか。そして、マジョルカでの起用法はどうなるのだろうか。
イ・ガンインは攻撃的ポジションならどこでもプレー可能だが、基本的には中央の方が輝く選手である。そのためマジョルカでは、4-2-3-1の場合トップ下、4-3-3の場合はインサイドハーフでの起用がメインになると思われる。サイド起用がベースとなりそうな久保建英との共存は十分にあり得るだろう。
イ・ガンイン最大の特長はキック精度の高さだ。視野が広く、長短問わず狙った場所へ確実にボールを届けられる技術が備わっている。ゲームの組み立てはもちろん、相手を手玉に取るようなラストパスも出せるので、崩しの面でも頼りになるはず。優れたパサーがサルバ・セビージャのみとなっていたマジョルカにとっては、貴重な戦力になると言えそうだ。
爆発的なスピードなどはなく、ドリブルでガンガン仕掛けて相手2、3人をかわせるような選手ではない。しかし、上半身と左足をうまく使ってボールを隠すプレーに長けているなど、キープ力は非凡。中盤での時間作りには期待できる。
課題は得点力だ。バレンシアでは公式戦62試合に出場しながら3得点に留まっており、決して高いとは言えないだろう。そして守備の強度も十分ではない。攻撃のみならず守りでも貢献できるダニ・ロドリゲスらを上回るには、このあたりを強化させていく必要は大いにあるだろう。
そしてイ・ガンインと言えば、やはりラフプレーのイメージが強い。2019年にはサンティアゴ・アリアスに対し危険なタックルを見舞い、スペイン紙から非難。昨年にはセルヒオ・ラモスを3度も蹴り一発退場を喰らったことで、日本でも大きな話題となった。このように感情的になって試合をぶち壊す可能性がないとは言い切れず、不安要素の一つになるが、マジョルカでは果たして…。