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なぜリバプールは10人のチェルシーを崩せなかったのか。「アドバンテージではない」とクロップ監督が言った理由は…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

プレミアリーグ第3節、リバプール対チェルシーが現地時間28日に行われ、1-1の引き分けに終わった。チェルシーのリース・ジェームズが前半終了間際に退場処分を受け、リバプールは数的優位となったが、チェルシーからゴールを奪うことができなかった。ユルゲン・クロップ監督が11人対10人という状況を「大きなアドバンテージではない」と言った理由とは。(文:本田千尋)

10人のチェルシーを崩せず

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【写真:Getty Images】

 今季は“地獄”を見ることはなさそうだ。現地時間8月28日に行われたプレミアリーグ第3節。本拠地アンフィールドにチェルシーを迎えた試合で、リバプールは昨季の欧州王者と1-1で引き分けた。

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 22分にCKからカイ・ハフェルツのヘディングで先制を許したが、前半の終了間際にゴール前の混戦からリース・ジェームズのハンドを誘発。ジェームズにはレッドカードが提示され、獲得したPKをモハメド・サラーがきっちり決めて同点に追い付く。

 しかし後半に入ると、1人少なくなったチェルシーを攻めあぐねた。敵将のトーマス・トゥヘル監督は割り切ったカウンター型を選択。ハフェルツに代わって投入されたチアゴ・シウバを中心とする5バックと、エンゴロ・カンテに代わって投入されたマテオ・コバチッチ、ジョルジーニョ、メイソン・マウントの3枚が中盤に並ぶ[5-3]の守備ブロックを崩し切れなかった。

 トップに残ったロメル・ルカクに対しては、戦列に復帰したフィルジル・ファン・ダイクとジョエル・マティプがきっちりと対応した。カウンターから決勝点を奪われることはなかったが、リバプールは攻撃面でのオプションの少なさを露呈した。

 もちろんリバプールにもアクシデントという側面があった。43分という早い段階で、先発したFWロベルト・フィルミーノがハムストリングの違和感を訴えてピッチを退き、代わってディオゴ・ジョタを投入したため、このポルトガル代表FWをジョーカーとして起用できなかった。しかし、チアゴ・シウバを軸とした固いチェルシーの守備陣を攻略するため、ユルゲン・クロップ監督が加えた変化は74分にヘンダーソンに代えてチアゴを投入したくらいで、攻撃面でのバリエーションは昨季と変わらない様子。クロップ監督は南野拓実をピッチに送り出さず、開幕から3戦連続で出番なし。日本代表FWはドイツ人指揮官の信頼を掴み切れていないようだ。

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