上田綺世が入ったことで起きた変化
始まりは前半15分の沖悠哉のFKだった。ロングフィードを右サイドに流れていた上田綺世が競った瞬間、マリノスの和田拓也と畠中槙之輔が重なり、ボールが後ろにこぼれた。これを土居聖真が拾い、浮き球のクロスを供給。これに反応したのが背番号13だ。彼は巧みに頭で合わせてゴール。プロ初のヘディング弾をお見舞いしたのである。
「聖真君にボールが入った状況で2対2になった。最初は相手の前で先に触ろうかなと思ったんですけど、ちょっと厳しいなってことで、ファーサイドに逃げたら浮き球でボール出してくれたんで、あとは合わせるだけでした。ゴールの滞空時間は動画で見るよりも長く感じたけど、うまく決めれてよかったです」
今季9点目を挙げた荒木はしてやったりの表情を浮かべた。
これで「10代・2ケタ得点」に王手をかけた。柳沢敦、興梠慎三ら偉大な先輩たちから13番を引き継いだ若武者には、彼らに肩を並べ、それを越えていくだけの素養があると言っていい。
「綺世君がFWに入ってから、綺世君につられる選手が多くて自分が空いてくるかなと思っていて、今日もちょうどよく点を決められた」と、本人は相方の貢献の賜物だと強調していた。ただ、上田の方も年下の荒木に刺激を受けているはず。それが今季8点目となる前半30分のバースデーゴールにつながったのだろう。
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